不変の想いを君に…
忘れるはずがない。あの時、業火に焼かれながらも十六夜の元までやって来て呟いた言葉
"いつまでも愛している"
『今でも、変わりはない…』
肩から顔をあげて十六夜の肩甲骨に添えてあった手を腰まで下げる
射抜くような赤い目に情熱が見え隠れする。恥ずかしいような気もするが逸らしてはいけない
『…わたしのやり方が間違っていなければそなたの心をわたしのものに出来たのか』
…刹那には悪いが後にも先にも、自分が想うのはあのひと、天堂だけだ
「…ごめんなさい。私は、いつ誰と出逢ってもあのひとだけを好きになって、愛したと思います」
はっきり告げると可笑しそうに、だが悲しそうに笑う刹那に十六夜もどうしようもなく微笑み返す
「でも…」
背伸びをして刹那の頬に両手をそっと添える。十六夜は目を細め、首を傾げる
『十六夜?』
伏せ目がちに十六夜の顔が近づき、優しく引き寄せられたと思ったら口づけをされていた
間近に見える十六夜の綺麗な睫毛、温かい唇
初めて十六夜から触れてくれた…その事実は刹那の心を震わせる
震える唇を合わせたまま目を閉じる
さぁ、と優しく温かい風が吹き抜ける
……そして一瞬にも永遠にも思えた時間は終わりを告げる