不変の想いを君に…



唇を離して微笑む十六夜



「あのひとだけを愛してます。でも刹那、あなたも同じだけ大切なひとです…少し違うかもしれないけど、あなたを愛しています」



死しても尚、十六夜を守り愛してくれていた刹那。ここで再会した時、天堂とは少し違う愛しさを感じた



あのひともこれくらいなら許してくれるだろう



『…天堂には言えないな』



十六夜の頭を撫でて離れた刹那の姿が消えていく



「刹那…あのひとや私が"そっち"に行くまで見守っていてくれる?」


『十六夜だけならいいぞ…』




天堂と同じ十六夜が一番な刹那。最期の最期まで天堂を毛嫌いする刹那に笑いが込み上げる



「ありがとう、あなたに出逢えて良かった…」




愛している女が形として手に入らなくても愛していると伝えてくれた。そのことが何より嬉しい



手に入らなくても出逢わなければ良かった、なんて思えない




『わたしもだ……十六夜、目を覚ませ』


「刹那さっ、待って…!」




刹那が光の中に急激に消えて行く。それと同時に引き上げられるようにして十六夜の意識は戻った



「十六夜っ」



獅蛇に抱かれていた十六夜が目を覚ました。そして十六夜が見たものは刹相手に膝をついている天堂と桜李だった












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