不変の想いを君に…
六
「ん、…」
「桜李様、お目覚めですか?……気持ちのいいお天気ですよ」
「桜李っ大丈夫!?」
開け放った障子から入ってくる朝日の眩しさに目を細めた桜李の傍には白と蓮華。どうやら自室のようだ
あれから気を失った桜李を蓮華、天堂を十六夜が抱えて帰って来た。もう大丈夫だと判断した獅蛇は宵美の待つ洞窟へと帰って行った
…宵美に甘えられて鬱陶しがっていることだろう
「あ、無理をしては…」
「怪我は大したことねぇ。ただ気が緩んだだけだ…白、来い」
止めようとした蓮華をやんわり断って布団から出て縁側に座ると白も着いていく
「大丈夫だ、心配するな」
「うんっ、良かった…俺やっぱり大きくなったら百鬼夜行に入る!」
もう心配していないらしく安心して笑った白は影狼と遊ぶ約束をしているため軽やかに走って行った
それを見送り目を閉じる…朝日が気持ちいい
こんなに落ち着いた日は久しぶりだ。十六夜を守ることに必死で切羽詰まって、眠ってもすぐに目が覚める
だがそれも無いだろう、これでやっと落ち着ける
「桜李様、どうしました」
「…前も言ったけど蓮華が居てくれて良かった」
「…」
「今回、お袋のことでいろいろ大変だった。身体的にも精神的にも。でもやり遂げることが出来たのは皆が居たからだ。その中でも俺を励まして寄り添ってくれたのはいつも蓮華だった……これからも支えて欲しい」