不変の想いを君に…



「十六夜…」


「どうですか?」


「おー、もう治った…十六夜は?」


「はい、すっかり」




日差しが強いせいかいつもより温かい。隣に座った十六夜を抱き締めて目を閉じる



十六夜が狙われている間気の休まることは無かった



だがようやく落ち着いてはぁ、と盛大な溜め息を吐くと心も軽くなった気がした




「十六夜を刹那があの世から守ってくれてたんじゃな」 


「えぇ。お墓参りの時私のことを見てくれてるんですって」


「そうか、感謝しねぇとな」


「そうですね」




死んでも愛した女を守る強さ。やり方は間違っていたが刹那の十六夜を想う気持ちは本物だ




「刹那はあぁ言ったが十六夜は渡さねぇぞ」


「ふふ、私も離れる気はありません…あなたを愛してますから」


「ワシもじゃ」



当たり前のように言う十六夜が愛しい。十六夜の心の一部は刹那のものだ。だが全てやるつもりは無い



悔しいが認めるしかない、刹那も十六夜にとって大切な男なのだと



それくらい許容出来る




…はず







< 67 / 88 >

この作品をシェア

pagetop