不変の想いを君に…



隣に居る蓮華と話をしながら今日も何事も無く終わると思っていた


「蓮華、気をつけろ」


「え…っ」



急に蓮華の肩を抱いた桜李。まさかの不意討ちにどきどきしながらも真剣な表情で辺りを警戒する桜李に何か起こる、と感じていて桜李の変化に気づいた百鬼たちも固まって身構える



「総大将、あっちです!」


百鬼の声にその方を見る。宙に黒い渦を巻いてその中からたくさんの妖怪を従えて現れたのは男


「てめぇ、何もんだ」


桜李の声ににやり、と笑った。紫の長髪に右目が隠れているが左目も紫。黒い着物に赤い帯。男の割りにごつくなくむしろ飄々としている…だがそれこそが危ない



「わたしは冥迷」



「あはは、めいめいだって!可愛い名前だなっ羊みてぇ!」



綺麗な声で名を聞いて笑いだした百鬼たち。だが次の瞬間、紫の斬撃が大砲のように百鬼たちを襲った。間一髪で避けた百鬼だが冥迷は不気味な笑みを浮かべていた



「ごめんなさいねぇ、わたし可愛いものは大好きなの。でも羊みたいって言われるのが大嫌いで、次同じこと言ったら…殺すわよ」



飄々としていたが雰囲気ががわりと変わった。男なのに口調は女。それだけでも気味が悪いのに先程の攻撃…相当やる





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