不変の想いを君に…
手を出すと先が丸い前足、裏返すとピンクの肉球
振り返ると黒い尻尾がぴんと立っている
「やったー!成功だ!」
「…もういいじゃろ、戻せよ」
うんざりしたように耳と尻尾を垂らした天堂ににやり、と笑った白
「…あ!おいら友達と約束してたんだ、また今度戻したげるよ!じゃあね!」
「おい!戻すくらい出来るじゃろ!」
吠える天堂を放って走り去った白に呆然とする
また今度?いつ?明日?一週間後?
(どうするか…)
何をすれば、どこに行けばいいんだ、と悩んでいると茂みからカサカサと聞こえてくる
何だ?とそちらを見ていると茂みから姿を現したのは…大きな牙を剥き出した蛇だった
いつもなら大したことないが今は犬…白と同じ大きさの仔犬で蛇すらも同じ大きさに見える
(え、嘘だろ…)
大きな茶色い目に睨まれ耳と尻尾を垂らすと勢い良く襲いかかって来た
(逃げるしかねぇ!)
ダッと走り出すと追ってくる蛇
ひたすら走り回り、土手を上がると諦めたように茂みに帰って行った