不変の想いを君に…




(は~あ、すげぇ疲れるな)




仔犬になってどうやら体力も減っているらしい。暴れ回って泥もたくさんついてベトベト。とりあえずベトベトを無くそうと地面に身体を擦り付けているとベトベトはとれたが全体が砂にまみれてしまった




(ん?この匂いは…)



クンクン、と黒い鼻で砂道を嗅いでいると大好きな匂い…




「あら、随分汚れちゃったね?」




後ろから聞こえたきたのは、この匂いの持ち主



(十六夜ー)



どうやら十六夜に言葉が通じないらしい。屈んだ十六夜が仔犬を撫でると腹を出す仔犬。腹を撫で回すとうっとりと目を細める



(犬っつうのは腹撫でられたらこんなに気持ちいいのか~)




じーっと仔犬を見ていた十六夜




「男の子なんだね…いい名前思いつかないな……まろちゃんにしよっか」


(ま、まろちゃん?)


「黒い顔に白くて丸い眉があるから、まろちゃん…嫌かな?」




若干不安そうに顔を覗き込んで来た十六夜にきゅん



(全然嫌じゃねぇ!まろちゃんでいい!)



汚いくせに飛び起きて十六夜に抱き着いた天堂…まろちゃん天堂。十六夜の腕の中ですりすりして夢見心地






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