不変の想いを君に…
「さ、やっておしまい…」
扇子をぱちんと閉じて桜李たちを指差すと妖怪たちが一斉に向かってきて双方が衝突する。桜李は冥迷の所へ行きたいが数が多すぎる。雑魚を相手にするので精一杯だった
相手をしながら冥迷を見ると何もする気配が無くただ百鬼夜行との対戦を高見の見物と言わんばかりに見下ろしていた
雑魚が倒されるまで一歩も動かないつもりか
一心不乱に倒しているとついに居なくなったが隙を狙われて冥迷の先程の斬撃が桜李に直撃してしまった。刀である程度は防ぐことは出来たが不味い
「桜李様っ」
すぐさま桜李に駆け寄り冥迷から守るように立つ。その蓮華を見た冥迷は扇子で口を隠してくすり、と笑った
気持ち悪い…
「あら~、いじらしいわね。主を守る強い目に見えるけどそれ以外にも――まぁいいわ。今回はどんなものか見に来ただけだから次が楽しみね」
何を言うつもりだと一瞬焦ったがすぐに消えていった。そんなことよりも先ずは手当てが先だ。桜李を心配して集まって来た百鬼たちを潜り抜ける。屈んで容態を見ると肩や足から血が流れていて痛ましい
「桜李様、立てれますか?」
「あぁ、大したことじゃねぇ…」
そうは言っても立ち上がるのがやっとな桜李に説得力なんか無く肩を貸した蓮華
「蓮華、放せ。着物が汚れるぞ」
「何言ってるんですか!こんなの洗えばいいです!そんなものよりあなたの手当てが先です、分かりましたね!?」
蓮華の剣幕にお、おぉと返事をした桜李をそのまま本家へと運んだ
「冥迷も言ってたけど」
「やっぱそうなんだな」
「何が?」
「餓鬼のお前にゃ早い話だ…」