不変の想いを君に…




「よし、まろちゃん。一緒に行こうね」




まろちゃん天堂を抱っこして屋敷まで帰ると桜李が仔犬を見て眉間に皺を寄せて、まろちゃん天堂の首根っこを掴んで宙ぶらりんにした




「この犬、どうしたの」


「ん?近くで拾ったの」




桜李にこの状態のまま掴まれているのは辛い。顔を近付けてきた桜李はにやり、と笑ってまろちゃん天堂の鼻を掌で押した




「きゃん!」
(痛ぇー!畜生!急所狙いやがって!お前気づいてんだろ!)


「もう、可哀想」




宙ぶらりんな状態で涙目になりながら鼻を前足で押さえていると十六夜が桜李の手から奪い取って痛む鼻を撫でてくれた




(十六夜~、桜李がいじめる~)



鼻を十六夜の頬に擦りつけるまろちゃん天堂をしらけた目で見る桜李は



「お袋、そいつ捨ててこいよ」



最後にハッと鼻で笑い歩いて行った





「捨てるなんて…出来ないよね」



頭を撫でながら向かった先は





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