不変の想いを君に…
「身体きれいきれいしようね」
と、着物を肩からおろした十六夜を見て目をひん剥き、尻尾がぴんっと立つ
(何故!?)
何故十六夜まで入るのかと思ったがよく見ると着物や手、首筋などあちこち汚れている
この状態のまま抱っこされてしがみつけば十六夜も汚れるだろう
そんな最もらしいことを考えていたがハッと我にかえり駄目だっと引き戸を爪でかき始めると十六夜がそっと抱き上げる
肌が触れ合って温かい
(胸が!…離してくれ、駄目じゃ!今は駄目だろ!…でも夫婦だからいいのか?…いや、でも――)
「あらあら、お風呂嫌なの?でもすっきりしましょうね~」
胸の感触に腕の中でもがいていたが頬をすりすりされるとふにゃふにゃと力が抜ける
比べものにならなくなる程おとなしくなったまろちゃん天堂をいいこいいこ、と撫でて風呂への引き戸を開けた