不変の想いを君に…
「十六夜様だ…」
「今日は着流しじゃなくて普通の着物か~綺麗だなぁ…」
一度歩くと注目の的の十六夜。今日は服装が違うためいつもより可憐で儚げで…そんな雰囲気を醸し出している
(あの野郎…十六夜を厭らしい目で見やがって!噛みついてやろうか)
男たちを睨んでも仔犬では威嚇にもならない。そんなまろちゃん天堂など知らず一軒の茶屋の軒下にある椅子に腰掛けた十六夜
「いらっしゃいませ」
「こんにちは…お団子ください」
「ありがとうございます」
主人が中に引っ込んで行き、待っていると
「十六夜様~」
声をかけられぱっと顔を上げると見知らぬ男だった。仔犬を抱いている十六夜に近づいて行き上から下まで舐め回すように見る男に嫌悪感
「十六夜様、一緒に遊びましょうよ~…こんな犬放っておいてさ~」
十六夜に手を伸ばして肩を抱こうとする男に唸るまろちゃん天堂
(…下心見え見えじゃねぇか…十六夜に近付くんじゃねぇ!)
もう少しで触れそうな手に思い切り噛みついてやった