不変の想いを君に…
「ありがとね…」
むぎゅっとまろちゃん天堂を抱き締める十六夜は安心したようにまろちゃん天堂の顔に頬をすりすりする
「まろちゃんのお髭ちくちくするね。でも綺麗になったからふさふさで気持ちいい」
(んふふ、十六夜の肌もすべすべじゃのう)
頬をぺろぺろ舐めると嬉しそうに十六夜がさらにぎゅっと抱き締めてくる…幸せ
「まろちゃんはわんちゃんだから本当は駄目だけど、二粒くらいなら大丈夫かな」
串に刺さっている団子を取って口に持って来る
(これはっ!…あ~んじゃねぇか!)
尻尾をぶんぶん振り回しながら歯を立てないように十六夜の指ごと食らいついた
戻らなくてもいいかもしれない、という思いが生まれ始めた天堂…重症だ
「白、お前だろ」
「ふふっ、暇潰し!そろそろ戻そっか」
是非そうしてくれ、と疲れたようにがっくし項垂れた桜李
「どうしたのですか?」
桜李に寄り添うように立っている蓮華の手を握ると、未だ恥ずかしそうに頬を染める。それをおもしろそうに笑う
俺も恋は初めてだけど、初々しいな
「白が親父を犬にしたんだよ」
「えぇ!?天堂様大丈夫なのですか?」
「…さぁ、大丈夫だろ」
手を繋いで家路を行く。恋人になって互いに本当に幸せで、天堂と十六夜のことが分かる……夫婦になっても父親のようにはならないと思うが相手を大切に想う
…それにしても捨てて来いと言ったが母のことだ。父だとは気づかずに世話をしてやって、これ幸いといわんばかりにいちゃいちゃしているであろう父親
…目に見えている、早く戻してくれ