不変の想いを君に…





疲れた…どっと疲れた…いつも以上に疲れた




「ん~…今日はあのひと、帰って来ないのでしょうかね?」




夜、桜李たちは百鬼夜行で不在。自室の布団にころんと転がった十六夜は身体の力を抜いて寛いでいた




まろちゃん天堂は十六夜の隣に寝転び顎を足に乗っけてくあ~とあくびをした




十六夜を見るとまろちゃん天堂の頭を優しく笑いながらかしかし撫でてくれて、腕の中へと導かれた




帰って来て隣に居るが犬だし何も言えない



心配させないように頬をぺろっと舐めるとぎゅっと抱き抱えられもふもふの身体に顔を埋める十六夜




「心配しなくても大丈夫。明日には帰って来るから」




微笑まれて身体がぽかぽかして来たまろちゃん天堂。いつも勝手に行動している自分の帰りを待っていてくれる





「信じ、てるか、ら―――」




まろちゃん天堂よりも先に眠りに落ちた十六夜



当たり前の日常を振り返ると、日常だからこそ忘れている部分も見えてくる。名残惜しいがこれ以上心配させるわけにはいかない




……やはり戻らなければ




でも、せめて今だけは十六夜の腕の中で眠らせてほしい




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