【企画】魔法が醒めるとき
「ひ……かるっ」
《大丈夫だったか?》
久しぶりに聞く、その声に。
瞳から一気に涙が溢れ出してしまった。
「う……っん」
喉が詰まって、上手く声が出ない。
《泣いてる?》
「う……ううんっ!」
《はは、月美らしいな》
泣いてないもん。
いつもの言葉は言えなくて。
《連絡出来なくてごめんな》
優しい言葉達に、溢れた涙は止まるどころか洪水のように次から次へと流れ出てくる。
《月美……》
あたしの名前を呼ぶ声に、胸が焦がれそうになる。
「光……」
その名前をよぶだけで、胸が裂けそうになる。