【企画】魔法が醒めるとき
流れ出るアナウンス。
キャスターを転がす人々。
真っ暗な外に光る無数の光。
ゴォオーと飛び立つ飛行機。
流れに逆流するように、人込をただ走った。
何時の便かなんて知らない。
どこの航空会社なのかも知らない。
だけど、ここに。
あなたが居る気がしたの。
普段、走る事なんてないあたしは、はぁはぁと息を乱して立ち止まった。
必死に探した、彼の、光の姿を。
ドクンドクンと速く打つ自分の心臓の音を、ザワザワと騒がしいロビーの音が急き立てる。
光……。
光。
光っ!
その瞬間、ゆっくりと立ち上がる姿に……あたしの視線は、止まった。
光、だ。