銀髪姫と不良幹部
本当は大丈夫じゃねぇくせに…。


それにしても、これはひどいな…。


切られた後、内出血…。


手当てが必要だな。


でもここには救急セットはないだろう。


…仕方ない。


狼鬼の倉庫に行こう。


あそこならここから近いし、救急セットもある。


行くのに抵抗はあるが、史音の命には変えられない。


頑張って史音をバイクに乗せるか。


「うっ…」


「史音?」


「い…あっ…」


史音…?


私がわかるのか?


「…いあっ」


返事をしたい。


私はここにいると言いたいっ。


でも今は会えないんだ…。


ごめん…っ。

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