銀髪姫と不良幹部

「鳴海さん？」


おいおい、大丈夫か？


つか、何で固まったんだ？


私、何か変な事言ったか？


…言ってないよな。


それより、早くここを離れてぇ。


ずっと一緒にいるのは危険すぎる。


「…先を急いでますので、私はこれで」


史音の返事を待たず、きた道を歩き出した。


「っ⁉︎」


だが、それは史音によって止められた。


「あの…離してもらえますか？」


史音に掴まれた、私の右手。


ヤバイ…っ。


私の頭で警戒音が鳴っている。


“早くそこから逃げろ”…と。


振り払おうとしても、史音の手は離れない。