銀髪姫と不良幹部
「どういうことだよ!」


私は史音の肩を掴み、揺する。


なぁ、教えてくれよ。


私が悪かったのか?


私が…抜けたせいで狼鬼が解散状態…っ?


「そのままの意味だ…」


そのまま…。


本当に狼鬼は…っ。


「…依亜が抜けて、実質仕切る奴がいなくなった。攻めてくる族も増えた。そのせいでみんなはボロボロだ。…抜ける奴も出てきた」


初めて聞く狼鬼の現状。


そんなにひどいのか…?


私は…みんななら大丈夫だと思ってた…。


みんななら乗り切れると。


だが実際は、族に攻められボロボロ、抜ける者、しまいには智也に気を使われて…。


はっ、私は一体何をしていたんだろうな。


「今残っている奴らは、依亜が戻ってくると信じて待っている奴らだ」


私が戻ってくると信じて…。


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