銀髪姫と不良幹部
「真面目…な。ま、いいや。禅が待ってるから俺も戻る」


壁から手を離し、ドアの方へと向かう史音。


多分これで最後だ。


もう…会えないだろう…。


そんな私の気持ちが伝わったのか、史音がこっちを見た。


「今日の放課後、倉庫に行くから門にいろよ」


「は⁉︎」


今日の放課後、倉庫に行く⁉︎


いきなりだな、おい!


逃げてやろうか。


「あ、逃げても無駄だから」


「ちっ」


バレてんのかよ。


ずっと一緒にいただけはあるか。


「んじゃ、また後で」


史音は手を振りながら、教室を出て行った。


…さてと、私も教室に戻るか。


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