銀髪姫と不良幹部
「血桜が出たぞーー!!」


「ひっ…」


男がみんなに聞こえるように叫んだ。


逃げるくれぇならカツアゲなんてするなっつぅの。


「おい。何にしてんだ」


「ち、血桜っ…」


カツアゲされている少年は、まだ幼い顔からして中学生だろう。


「ゆ、ゆるっ…して…」


「謝ってすむんなら警察なんていらねぇよ」


そう言って、男を殴った。


“血桜”


私はこの街でそう呼ばれていた。


殴り蹴り続ける。そう意識がなくなるまで。


返り血をあびたその姿はまるで“血がついて汚れた桜”


「はっ、血桜って呼ばれてもおかしくねぇな」


本当に狂ってる。


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