銀髪姫と不良幹部
「不二、そろそろ決着をつけようか」


長く続く敵対関係も今日で終わりだ。


そんな意志を込め、不二を見る。


いや、睨むがあっているか。


「はっ、月影のいねぇ狼鬼なんて怖くもねぇよ」


その言葉に、俺はフッと笑った。


こいつアホだな。


いや、幸せな奴だとでも言うべきか?


ま、おめでたいのは確かだな。


だってこいつは、まだあの事に気づいていねぇ。


「月影ねぇ…。お前達はすでに、月影に手を出してんだよ」


「んなわけねぇ!」


声を上げる不二。


声を上げたって答えは同じだ。


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