銀髪姫と不良幹部
「依亜があの血桜とは…」


じーっとこっちを見てくる史音。


そんなに見ても何もねぇぞ。


それとも、顔に何かついてんのか?


「知らねぇ内にそう呼ばれてたんだよ」


私だって聞いた時は驚いたもんだ。


嘘だって言ってほしかったよ。


だけど誰も言わないし、街に行くたびに血桜って言われるし?


怯える者、目を輝かす者。


いろんな奴がいた。


「お前があの月影か…。他の者はどうした?副総長もいたはずだが?」


「あー、あいつか。史音に勝つと叫んでうるさかったぞ。ちゃんと躾けろ」


眉間に皺が寄ったのが分かる。


それだけあいつはうるさかったんだ。


マジ迷惑な奴だ。


叫ぶなら他でやれってんだ。


< 327 / 429 >

この作品をシェア

pagetop