銀髪姫と不良幹部
「そやで。裏切ったおもてたら、探しになんか行かへんって!」


「禅…っ」


あぁ…何でみんなはそんなに優しいんだよ…。


優しすぎるんだよ。


裏切られたと思って恨んでくれたら楽だったのに…。


恨む事もなく、私を探してくれた。



こんな狼鬼だからこそ、私は好きになったんだ。


狼鬼の総長で本当に良かったよ。


「ね?だから自分を責めなくいいんだ」


ニコリと笑う史音。


「史音…。…ああ、そうだな。みんなサンキュー!」


最後に、今までで一番の笑顔を見せた。


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