銀髪姫と不良幹部
「依亜…⁉︎」


いきなり声をあげた史音。


その声によって、禅達も叫ぶのをやめた。


そして、私の方を見て、また叫び出した。


「ど、どうしたんや⁉︎」


「え…?」


頬を伝う雫にそっと触れる。


私…泣いてるのか?


あの誰の前でも泣いた事がねぇ、この私が…?


はっ、本当弱くなったな。


涙なんて人前で…いや、もうずっと流していなかったのに。


人前…。


そういや、みんなが見てんだった!


うわ、恥ずかしっ!


みんなに見られないように手で目をこすっていると、誰かに抱きしめられた。


「ふへっ⁉︎」


げっ、変な声出たし。


それより私はこの匂いを知っている。


この匂いは…。


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