銀髪姫と不良幹部
「お母さんを攻めないでくれな?」


攻めないよ…。


血が繋がってなくても、お母さんは私のお母さんには変わりねぇんだから。


傷つけることだけはしたくないんだ。


「うん。お母さんが悪いわけじゃないんですもの。…お母さんを攻めたりしません」


お母さんを攻めるのは間違っている。


攻めたところで、後悔するのは私だ。


後悔する生き方だけはしたくねぇ。


「そうか。…依亜、卒業までは自由にしていいと言ったのは覚えているかい?」


「はい」


覚えているよ。


だから私は狼鬼にいたんだ。


自由じゃなかったら、私は狼鬼にいなかっただろう。


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