銀髪姫と不良幹部
「席に座れー」


先生が入ってきて、自分の席に座る。


よく考えたら、この席ともお別れか…。


窓際でお気に入りだったのにな。


ま、仕方ねぇけどさ。


この位置は先生が決めてくれた場所。


みんなに嫌われてる私のための場所。


私は担任の先生が好きだった。


私の正体を知っていても媚びず、“榎本依亜”として接してくれる。


そんな先生だからこそ、お別れが辛いんだよ。



「今日は残念なお知らせがある。榎本が留学する事になった」


先生の言葉に騒ぎ出すクラスメイト。


何?


そんなに地味子が留学するのはおかしいわけ?


はっ、地味子だって留学はすんだよ。


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