銀髪姫と不良幹部
だけど、あいつらがくると…行きたくなくなる。


だから見送りは断った。


ま、来たら嫌がらせだな。


〝行くな〟という嫌がらせになるわけだし。


それに飛行機の窓から、みんなの事を考える方が私にはあっているだろうし。


…うわっ、何か孤独だな。


「つきました」


空港についてしまった…。


「お嬢様、どうぞ」


そう言って運転手がドアを開けてくれる。


やっぱり慣れねぇ…。


いつもはバイクだったしな。


車の時もあったが、やっぱり慣れないものだ。


「ありがとう」


お礼を言い、静かな深呼吸をする。


ここでの私は夕凪依亜だ。


失敗は許されない。


いつもの口調はもってのほか。


「依亜、行くわよ」


「はい」


お母さんに続き、私も空港の中へと入る。


空港に入ると、そこには予想以上のマスコミがいた。


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