伝説 ろりいた やんきー がーる
あたしは それはもう 驚いた。
進学校で オシャレにすら 興味を持たない生徒が多かったから
こんな〈好きな服を着ています!〉みたいな人は
初めて見たから。
今日は満月で 窓から入る月明かりに 照らされる女の子の顔は
本当に お人形さん で
「生きているみたい」
と 呟いてしまったら。
お人形さんは口を開いた。
「生きてるよう~」
わわ。 ほんとに 生きてる。
「どうして 生きているの?」
「いきなりドギツイ事聞いてくるね」
「そういう意味じゃなくて、お人形さんかと思ったから」
真っ黒の 大きな瞳
ちいさくてピンクの くちびる
赤ちゃん みたいな 肌
黒くて長い まつ毛
丁寧で可愛い アイメイク
どれも あたしとは 正反対だった。