伝説 ろりいた やんきー がーる





あたしは それはもう 驚いた。
進学校で オシャレにすら 興味を持たない生徒が多かったから
こんな〈好きな服を着ています!〉みたいな人は
初めて見たから。


今日は満月で 窓から入る月明かりに 照らされる女の子の顔は
本当に お人形さん で


「生きているみたい」


と 呟いてしまったら。
お人形さんは口を開いた。


「生きてるよう~」


わわ。 ほんとに 生きてる。


「どうして 生きているの?」

「いきなりドギツイ事聞いてくるね」

「そういう意味じゃなくて、お人形さんかと思ったから」


真っ黒の 大きな瞳
ちいさくてピンクの くちびる
赤ちゃん みたいな 肌
黒くて長い まつ毛
丁寧で可愛い アイメイク


どれも あたしとは 正反対だった。
< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop