RUN for YOU
仕事を全部終えて教室に戻ってカバンを持って学校を出た。

校内にいる生徒はほとんどいなくて、あたしのクラスのみんなはもう帰っちゃったみたい。


「おい」

なんとなく、グラウンドの隅にある石の上に座っていたら、いきなり後ろから声をかけられた。

「ゆ、裕斗先輩!」

裕斗先輩だった。

こんなところでなにやってるんだろ。


「なにやってるんですか??」

「ん、なんとなく、おまえが見えたから来てみた」

あ、そーなんですか。
心の中でつぶやいてみた。


「今日はお疲れ様。
やっぱりおまえ、最高だったよ」

予想通りだった。とあたしの隣に座りながら裕斗先輩は言った。

「……なあ、全部話してくれよ」

「えっ……」

「おまえの過去」

もう、この人には話してもいいのかな。そう思っているあたしがいた。


「裕斗先輩には敵わないですねっ。
……わかりました。全部話しますね」


それから、あたしは全てを話し始めた……。









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