RUN for YOU

中学校に入ってあたしは陸上部に入り、毎日練習につぎ込む日々。

陸上の名門校の中学で、きつい練習もあったけど、自分のタイムが良くなるのを見ると、練習がきついなんてことは全然イヤじゃなかった。


そして中学2年生の夏。

あたしは中学陸上県総体女子100Mを中学記録を出して制覇して、全国大会への切符を掴んだ。


しかし、その2日後だった。

同じ陸上部の当時3年生の先輩に、こう言われた。


『なんであなたなの!?
なんで、あたしじゃなくてあなたが全中なの!?
あたしの、最後のチャンスだったのに……』

その先輩は、幼い頃から陸上をやっていたそうで、全国大会に出て、陸上のスポーツ推薦を狙っていたらしい。

確かに、あたしと先輩は練習や大会ではタイムはほぼ同じ。

県総体の前の地区大会は、先輩が優勝していた。

確かに、あんなふうに言われるのも仕方なかったのかもしれない。