RUN for YOU
その数日後。


全国大会が明後日に迫っているという日だった。

手紙が1通届いていた。


【お前がもしも走るのであれば、お前の母親の命はない】


こう書かれていた。

だれからの手紙なのか、だいたい予想はついていた。

単なる嫌がらせかな、と軽く考えて、あたしはその手紙を捨てた。


そして全国大会当日。

家族がみんなで応援に来てくれた。

5日間の大会のうち、女子100Mの決勝は4日目。

順調に予選から勝ち抜いていき、決勝まで駒を進めた。


そして、決勝。

会場は満員。
中学記録を出したあたしが走るということもあって、すごく盛り上がっていた。


そして………

『1着は、中学2年生の夏原瑠子だぁ!!!』

実況のひとの放送が響いた瞬間、あたしは全国制覇を成しとけだ。


1歩、あたしの夢に近づいた気がした。









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