アイサツはビンタ!
第三章
ひでえんだ、聞いてくれ。

今朝、俺が登校して席に着くなり。

「おはよう、卓也君!!」

待ち構えていたお嬢が、廊下側からガラッ!!と窓を開け。

バチコーーンッ!!と。





…フルスイングのビンタだぜ…?





何で俺が朝一から頬を張られにゃならんのか、その理由を聞かせてもらいたい。

そう言ったら、

「何言ってんの、朝の挨拶よ、アイサツ」

何食わぬ顔してお嬢は答えた。

「汝、右の頬を張られたら左の頬を差し出せ、って言うじゃない」

何でお前に頬を差し出さにゃならんか、それも説明しろ。

「あーいい天気ねー」

無視すんな!!

…つまりお前は、俺をビンタできれば理由はどうでもいいんだな、お嬢…。

謂れなき暴力に屈せざるを得ない日々。

俺が自分の境遇を呪っていると。

「相変わらずラブコメやってんのか?飽きないねぇ」

羽山がチャチャを入れてきた。



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