アイサツはビンタ!
ラブコメなんて可愛いもんじゃないだろ。

これは校内暴力だ、校内暴力。

「贅沢言うなよな。代われるもんなら代わってやりてえよ」

「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ」

机に頬杖をつき、ふてくされる俺。

…お嬢はとりあえず俺を一発はたいて満足したのか、廊下で宗方と談笑している。

その姿を見ながら。

「で?どっちにするか決めたか?」

二人には聞こえないように。

羽山がそんな事を言った。

「は?どっちって、何が」

「だから、宗方とお嬢だよ。どっちにする?」

話が見えん。

いや、羽山の言いたい事はわかる。

これまで大人しくしていたが、コイツも我が校にこの人有りとまで言われたプレイボーイだ。

身近に宗方とお嬢という、性格破綻者とはいえ高レベルの女が二人もいて、何のアクションも起こさない訳がない。

そんな事はとうにわかっている。

話が見えないと言ったのは。

「何で俺にどっち?なんて質問をする?」

「…なんだ」

羽山はクスッと笑った。

「だったら、どっちも俺が食っちゃっていい訳?」


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