アイサツはビンタ!
第四章
一学期も半分が過ぎる頃には、そろそろ夏の陽気が訪れ始めていた。
「あっちぃ~…」
放課後。
俺、お嬢、宗方の三人は、教室で用もないのに居残って雑談していた。
羽山は今、校外の売店に人数分の冷たい飲み物を買いに行っている。
勿論羽山のオゴリだ。
先日の二股事件以来、羽山はお嬢に全く頭が上がらない。
基本的にお嬢の言う事に、羽山は何でも二つ返事だ。
まぁねぇ…。
吹っ飛ばされるほどのビンタをかまされた日には、絶対服従も当然というものだろう。
お嬢を怒らせると、下手すると死傷者が出かねない。
冗談ならばいいのだが、割と本気っぽいところが笑えない。
「遅いねぇ、羽山君」
教科書を団扇代わりにして顔にヌルイ風を送りながら、お嬢が気だるそうに言う。
汗ばんだ顔が、あからさまに不快感をアピールしている。
もっとも、暑くて不快なのは俺や宗方も同じだ。
公立の貧乏高校にはエアコンなんて気の効いた設備は設置されていない。
職員室や生徒指導室でさえ、扇風機しかないのだ。
教室には自然風…即ち窓を開ける以外の冷房設備など存在しない。
「あっちぃ~…」
放課後。
俺、お嬢、宗方の三人は、教室で用もないのに居残って雑談していた。
羽山は今、校外の売店に人数分の冷たい飲み物を買いに行っている。
勿論羽山のオゴリだ。
先日の二股事件以来、羽山はお嬢に全く頭が上がらない。
基本的にお嬢の言う事に、羽山は何でも二つ返事だ。
まぁねぇ…。
吹っ飛ばされるほどのビンタをかまされた日には、絶対服従も当然というものだろう。
お嬢を怒らせると、下手すると死傷者が出かねない。
冗談ならばいいのだが、割と本気っぽいところが笑えない。
「遅いねぇ、羽山君」
教科書を団扇代わりにして顔にヌルイ風を送りながら、お嬢が気だるそうに言う。
汗ばんだ顔が、あからさまに不快感をアピールしている。
もっとも、暑くて不快なのは俺や宗方も同じだ。
公立の貧乏高校にはエアコンなんて気の効いた設備は設置されていない。
職員室や生徒指導室でさえ、扇風機しかないのだ。
教室には自然風…即ち窓を開ける以外の冷房設備など存在しない。