アイサツはビンタ!
冷戦状態が始まって五日目の放課後。

相変わらず険悪なムードは続いている。

俺とお嬢がこんなせいで、宗方と羽山も居心地が悪そうだ。

すまんな、二人とも。

それもこれも、元はと言えばこの凶暴な女が…。

チラッとお嬢を見ると。

「…」

くっ、無視決め込んでやがる。

むかつくっ。

悔しいので、俺も二度とお嬢の方を見ないでやった。

「ねぇ、喉渇かない?」

宗方が言う。

「卓也君、ジュース買って来てよ、私ピーチ味の奴」

「はあ!?なんで俺!?」

「何よー、女の子に行かせる気?」

「羽山に行かせろよ」

「羽山君はっ」

宗方は羽山の腕にしがみついた。

「ここで私とラブラブするの♪」

へーへー、さいですか。

「適当に買ってくるから、あとで文句言うなよ?」

俺はめんどくさそうに立ち上がり、教室を出て行った。




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