アイサツはビンタ!
お金を払って、俺とお嬢は売店を出た。

8本のジュースが入った袋を片手に、炎天下のアスファルトの道路を歩く。

…暑い、重い。

お嬢は相変わらず3メートル後ろを歩いている。

半分持ってもらえばいいのにって?

俺が言ったんだよ。

「お前は先帰ってろ」ってな。

なのに帰りゃしねえ。

…宗方の策略にハマってやるのも癪だったし、ここで冷戦がウヤムヤになるのも釈然としなかった。

なんか、お嬢とはキッチリ決着付けにゃ気がすまない。

…ひたすら無視して歩く。

お嬢もついて来る。

手ぶらなのに、絶対に俺の前に出ようとしない。

重い足取りの俺の後を、ノロノロとついてくる。

ああ、イライラする。

コイツ何がやりてえんだ。

後ろから俺の苦しむ様子見て笑ってんのか?

新手の嫌がらせか?

だとしたら効果的だな。

今にも参りましたって言ってしまいそうだ。

そんな事を考えていた時だった。


< 60 / 75 >

この作品をシェア

pagetop