アイサツはビンタ!
俺が珍しくお嬢の事を誉めたもんだから、

「あ、ありがと…」と。

お嬢はほんのり顔を赤らめた。

「でもなぁ…」

すぐにお嬢は不満そうに言葉を付け足す。

「私って…ほら…卓也君の言う通り…キョーボーだし」

何だ、自覚はあったのか。

「言い方もきついし、多分みんな、平井は気の強い怖い女だって思ってるんじゃないかなぁ…」

あー…。

否定し切れんところが辛いな。

「まぁ、それはお嬢の味だしな。それぞれ個性がある訳だから」

「でも…」

珍しく自信なさげなお嬢。

なんか、へこんでるお嬢は似合わない。

「ほら、宗方は甘々なジュース好きだし、羽山は微糖のコーヒー好きだし、俺は炭酸の効いたコーラとか好きだろ?それと一緒だよ。みんな好みがあるんだって」

「……」

お嬢は、不思議なものでも見るような目で、俺を見た。

「な、何?」

「もしかして、卓也君…」

まさか、そんな筈は、みたいなお嬢の言葉。

「今、私の事慰めてる?」


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