血よりも愛すべき最愛
「あなたが、好きだ」
そんな告白を、『彼女』は毎日のように受けた。
言葉だけならば、ただの愛の告白になろうが、相手はいつも『彼女』より倍は生きているであろう男ばかり。
10才の少女に愛を語る髭を生やした男など、薄気味悪いものだった。
当然のことながら、『彼女』は告白を断るが、男たちは諦めることなく『彼女』につきまとう。
執拗に、必死に。
道端で土下座をし告白を。あるいは『彼女』の家まで押しかけ求愛を。
またあるいは――父親と同じように、『彼女』の寝込みを襲って。
「君が、美しすぎるから」
父親と同様、母親に見つかり自殺する直前――男は言う。
その言葉で、『彼女』は今までの元凶を知った。