血よりも愛すべき最愛
『彼女』の望んだ結果は、“より酷い形で叶えられた”。
喜ぶべきかと思えど、醜くなったところで、『彼女』はまた別の苦痛を味わう。
美しすぎるから周りが近寄って来る。ならば、化物以上に醜くなった今、誰もが『彼女』を避ける。
避けた上で、疎む。こちらに来るなと、『彼女』の身近にいる者はことごとく、『彼女』を虐げた。
以来、『彼女』は町を転々と移り住む。
新しい町にて、『彼女』は時折、男に声をかけられた。
『彼女』と“対面”した男は、必ず言う。
「騙された」
憤慨し、下手物を見る目で言うんだ。