血よりも愛すべき最愛
最初、その出で立ちで老人かと思い、間近で見、胸がときめいた。
金髪の美丈夫。恐らくは婦人よりも年下。
漆黒に身を包みながらも、眩い。
さながら、『夜空』と思わせる男であった。
「いきなり、そん、な……!」
出会うなりに手を引かれ、路地裏へ。唇よりも先にドレスを剥がし、首筋を執拗に舐める男は強姦の類いにせよ――悪い気がしなかったのは、これが“理想的な刺激”であったからだろう。
旦那からも相手をされなくなり、老いていく恐怖を覚え始める年代。それが今、こんな美丈夫に求められているとは。
「だ、めぇ……」
そんな、“煽り”すらも声に出す。