倫敦市の人々
対するジャックはクスリとも笑わないものの。

「子供の頃から、そんな強盗みたいな金の稼ぎ方するもんじゃない…小学校ではそんな事も教えてくれないのか?」

言えば分かる子と考えたのか、軽く窘める。

「小学校?」

小首を傾げるユヤ。

「俺、16だけど」

「…何?」

今度はジャックが首を傾げる番だった。

どう見ても高校生には見えないが。

「まぁいいや、じゃあな兄ちゃん!」

ジャックの渡した小銭を握り締め、ユヤは河岸の石畳を駆けて行った。

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