倫敦市の人々
ジャックが聖堂騎士団の一員、瑠架・ハーミットと邂逅した夜。

「結局空振りかよ…」

ユヤと椎奈は、いなくなったジャックとロンの行方を一日中探していた。

わざわざ花屋を臨時休業にしてまで、倫敦市内を探し回ったものの、ジャックは発見できず。

「朝早くに大時鐘時計台から人が飛び降りたのを目撃した人がいたみたいですけど…それがジャックさんじゃない事を祈るばかりですね…」

沈痛な面持ちで呟く椎奈。

「まさか…記憶が戻らないのを悲観して自殺したんじゃあ…」

ユヤの言葉を。

「ジ、ジャックさんに限ってそんな事はありませんっ」

強い口調で否定する椎奈。

< 111 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop