倫敦市の人々
花屋からタワーブリッジまで、ひたすらに走り続けるユヤ達。

ギャングのユヤ、吸血鬼のラミア、聖堂騎士団の瑠架、犬のロンはまだいいが、花屋でしかない椎奈は、もう呼吸が続かない。

「もう駄目ですっ…走れないですう…」

今にも止まってしまいそうな椎奈。

「駄目だ!頑張れ椎奈っ!」

ユヤが彼女の手を引く。

「頑張って…ここで止まれば『彼』の餌食…」

抑揚ない声で、瑠架も励ます。

やがて、ライトアップされたタワーブリッジが見えてくる。

帝難川の川上からは、大勢の客を乗せたナイトクルーズの船。

「急がなきゃ橋桁が跳ね上がり切っちゃうかもね」

ラミアが言う。

< 127 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop