倫敦市の人々
ようやく追跡するジャックがタワーブリッジに到達した頃には、既に船が通過し始めていた。

完全に跳開しているタワーブリッジ。

どう考えても渡れない。

だが。

「嘘…」

対岸から見ていた椎奈が呟く。

ジャックは突進速度を緩める事なく、タワーブリッジ中程まで走ってきた。

そして全員が見ている前で、ほぼ垂直にまで跳ね上がった橋桁を駆け登る!

足裏に吸盤か、とてつもなく鋭い爪でもついているのか。

そう思わずにはいられない、信じ難い光景だった。

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