倫敦市の人々
「当時の倫敦市には、吸血鬼と双璧を為す化け物がいた…満月の夜に咆哮し、人間の血と肉を貪り食う、一騎当千の聖堂騎士団さえ脅かす存在…人狼」

ラミアの言葉を。

「あろう事か…火葬機関は人狼と吸血鬼を生け捕りにして…両者を交配させるという禁忌を犯した…」

ジャックと鍔迫り合いしている瑠架が引き継いだ。

「ま、まさか…その結果生まれたのが…」

椎奈が青ざめた表情になる。

「そう…」

ラミアはジャックを見た。

「対吸血鬼用の切り札…そこにいるジャックよ」

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