倫敦市の人々
だが時が過ぎ、血ではなくトマトジュースを飲む人間を襲わないラミア、『最愛』を見つけて人間への危害を減少させたアイヴィーなどの吸血鬼しか倫敦市に存在しなくなり、火葬機関は勿論、化け物の存在価値もなくなっていく。

その為に火葬機関は錬金術の研究過程で作り出された薬品でジャックの記憶を消去、別人格を刷り込んで、お払い箱として倫敦橋の下へと廃棄した。

元々まともに命令を聞く事さえできなかった『出来損ない』だ。

役目さえ果たしてしまえば、こんな危険極まりない男などに用はない。

全ては聖堂騎士団にさえ忌み嫌われた暗部、火葬機関の独断による狂気の所業の数々だった。

やがて、その悪質極まりない行為が聖堂騎士団の手によって白日の下に晒され、廃棄された『危険分子』ジャックを回収すべく、瑠架にその任務が与えられたのだが…。

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