倫敦市の人々
「あれが人一人の力かよっ!」

舌を巻くユヤ。

「人じゃないわよ?吸血鬼でもない」

ラミアがゆっくりと歩を進めながら言う。

「それにしても久し振りだわね、『本物のジャック』」

猛り狂うジャックの眼前に自ら出て行ったラミアは、ユヤや椎奈、ロンの目から見れば自殺行為に他ならなかった。

しかし。

「倫敦大火で吸血鬼として蘇って、猟奇殺人事件の時に私の友人を惨殺されて…かれこれ貴方とは数百年の付き合いになるかしら?」

そう言って歌うように。

「ウガッ!」

ラミアは神速の動きで間合いを詰め、ジャックの腹を手刀で貫いた。

「懐かしいわぁ…昔はこうして殺し合ったものよね…」

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