倫敦市の人々
今も尚止まらぬ肩と腹の出血。

それでもジャックは高周波ブレードを片手に牙を剥く。

死ぬまで戦う事をやめず、敵味方問わず殺し続ける狂戦士のように。

「そんなに暴れたらハラワタはみ出ちゃうわよぉ…?」

クスクスと笑うラミア。

「何て強靭な肉体…」

両手で剣を握り締め、瑠架はジリジリと下がる。

吸血鬼と聖堂騎士団を同時に相手取っても全く怯まない。

これがかつて火葬機関の生み出した禁忌の化け物。

ジャックという男の本性だった。

そして、その化け物を制するのもまた…。

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