倫敦市の人々
いつの間に現れたのか。

見た所、15かそこらの少女はその鎖を引く。

まるで飼い犬のリードを引っ張るように。

「あっ、危ねぇっ!」

「引き摺られますよっ!」

ユヤと椎奈が声を上げるものの。

「大丈夫よぉ」

その少女…闇珠(あんじゅ)はあどけなく笑った。

「私の鎖のカードは、拘束した相手を絶対に逃がさないもの…でも…」

今もまだ暴れ狂うジャックを見上げ、闇珠は小首を傾げた。

「こんなに抵抗できる子は初めてかも」

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