倫敦市の人々
タワーブリッジに立ち尽くす一行。

「一体あの子は、ジャックさんをどうするつもりなんでしょう?」

不安そうに椎奈が呟く。

「見た目は少女…でも見ての通り人間ではない存在…ジャックの力を悪用するつもりなのは間違いない…」

剣をロザリオに戻しながら、瑠架が呟く。

「ラミア、何か兄ちゃんを探す方法ないかっ?」

苛立ちながらユヤが訊ねるが。

「探す?何で?」

ラミアは逆にユヤに訊ねる。

「放っておけばいいじゃない、いずれ向こうから仕掛けてくるわよ。その時にあのお嬢さんもジャックも、まとめて始末してしまえばいいんじゃない?」

「し、始末って…!」

椎奈が抗議しようとするが。

「忘れてなぁい?」

ラミアは背筋の凍るように笑みを椎奈達に向けた。

「私は吸血鬼なのよ?」

…その言葉を最後に、ラミアは背を向けて歩いていった…。

< 154 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop